2012年10月14日日曜日

70年代の名古屋にウエストコーストの音楽が流れていた場所があった。


僕がまだ名古屋で高校生だった頃。ロックやジャズやポップスやフォークソングやアメリカの香りをいつも感じさせてくれた音盤は「ATOM」という伝説のロック喫茶にあった。アサイラムのアーティスト、ジャクソンブラウンやカーリーサイモンやジェームステーラー、ドゥービーやイーグルス、マッスルショールズのいなたいセッションもここで大音量で聴いていた。ジャズに興味が行く前はここで音楽を聴く時間がかけがえのない青春のひとときでありました。アトム、また復活してくれないかなあ。 

石川橋のバス停から歩いて15分くらい桜山の方に歩いて右に路地を入ると雰囲気のあるウッディなドアが見えてくる。店内はレンガが印象的で、JBLのスピーカーが店のイメージを決定づけていた。いつも大音量のアメリカンロックをLP片面分かけていた。スティーブミラーバンドの「ペガサスの祈り」を初めて聴いたときの衝撃は今でも忘れない。 

東京に来てからはそこに行く事は滅多になかったけど、後に栄にもお店ができたと言うから行ってみたら、同級生の女の子がバイトしていて驚いた。その人は今や信じられない程の有名人だけど。 

その頃僕はバンドばっかりやっていて、デモテープを作るのが楽しくてさ。 

今日、昔の音源を整理していたら「石川橋」の事を歌ったデモテープが出てきた。いや〜コッパズカしいな〜と思いながら、聴いていたらそれなりにアナログなテープレコーダーで一生懸命作った感じが懐かしくて。くり返し聴いちゃいました(笑) 

ついでにアップしました。すごくヒマなら聴いてみてチョンマゲ。 

「石川橋の歌」 

http://radiopepe2.up.seesaa.net/image/ishikawa.mp3 

※クロームテープが泣かせるぜ〜

2012年10月5日金曜日

行くあてもない街で



今回、山下達郎がキャリアを超えた3枚組のベストを出すのは、そろそろ音楽ソフトの「パッケージ」の形体が変わることを予測した上での事だという。つまり、レコードやCDのような音盤という意識が希薄になっていくという事。だからCDというパッケージで現在のベストをリマスターして残しておくという事だ。寂しいけれど昨今のネット配信の流れやメディアの縮小化を見ればうなづける。

ビートルズは曲の再現性が難しくなり、大きなスタジアムで当時のしょぼいアンプを鳴らしても後方に音が届くわけもなく、聴衆がどんな曲をやってもただキャーキャー叫んでいるだけのライブに意味を見いだせなくなり、スタジオワークに専念していったけど、それは圧倒的なレコードの市場があったからシフトできたことだろう。音響施設が格段に向上し、CDが売れない現状では全く違う選択をするのかもしれない。

山下達郎のデビューはSUGAR BABEというバンドで、当時のエレックレコードの大瀧詠一のプライベートレーベル「NIAGARA RECORD」から1975年に発売された。

このSUGAR BABEのむき出しな感じのサウンドは、今でも少しも古く感じないし、現在の達郎サウンドにも確実に受け継がれている。

シアターライブの上映に始まり、SLS山中湖フェス~NHK-FMサウンドクリエーターズファイルのパーソナリティ・・・この流れでベスト盤の発売。素晴らしいプロモーション戦略だ。でもあのサウンドのクオリティあってこそだろう。すっかりここのところ1999年以来の達郎マイブーム。仕事仲間にもにわか達郎ファン急増中。

SONGS / SUGAR BABEを聴きながら、ゆるくて切ない風を感じてみるのも時には悪くない。少し突っ張っていて、何かをしなくちゃと焦りながら、叫んで、どこへ向かうともなく走っていたあの頃の自分に会える気がするから。

行くあてもない街で
空はどこも同じ 泣き顔を見せてる
あたたかい安らぎは 今はまだ遠い

雨は手のひらにいっぱいさ
そうさぼくの心の中までも

(山下達郎:雨は手のひらにいっぱい)

Whiskey mood




大好きなバンドの憂歌団のドラマー島田和夫さんが亡くなった。自ら死を選んだ詳細などは知るよしもないが、現在は活動を休止していた憂歌団、そろそろまた4人で集まりそうな予感もあっただけに今回の訃報は残念だ。彼らのライブは沢山観たが、またいつかあの酔いどれたブルースをあのメンバーの演奏で聴きたかった。

悲しさや淋しさやどうしようもないやりきれない事にいつまでもとらわれているわけにはいかないけど、そんな夜におあつらえ向きのウイスキーや音楽だってある。微睡んで、抜殻のように夜をくぐり抜けたら、クッと上を向いてゆっくり歩く。僕らの周りには本当にすぐにでもこわれてしまいそうなものが実は沢山あるのだし、その反面とても確かで、揺るぎ無いものだってある。信じられないものばかりではない。好きな歌を歌おう。 

おきざりにしたものが沢山あるのに、ずっとそのままにしておいた。 
それで、時が過ぎてしまえば置き忘れた事さえ忘れてしまう。そういう事を繰り返した気がする。でも所詮ひとりの人間に出来る事は限られているだろう。あせらずいこう。それでいいと言い聞かせながら。 

Time is on my side・・・時間によりそって生きる事はなんて難しいんだろう。ストーンズはやっぱりMONOミックスがいい。チャーリーワッツの背筋の伸びたドラミングがよくわかる。憂歌団の島田さんも背筋がピッと伸びたドラマーだった。飾りのないドラムが好きだった。 

誰がなんといっても好きなものは好きだし、嫌いなものは嫌いなので、どうしようもないじゃないか。そんなことわかりきっている。僕は○○が好きです。俺は○○が大嫌いだ。と何故はっきり言えないんだろう。他人の顔色見ながら価値を計っていると自分の声は出なくなる。好きな歌を歌おう。 

失くした夢を追いかけて 男はいつも夢見てる 
ある日どこかで虹をつかもう 空はいつも上天気 

(憂歌団:心はいつも上天気)

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