2009年12月31日木曜日

寒い夜にほっとするひと時

急に寒気に包まれた気がする今日の東京。明日の大晦日もかなりの冷え込みが予想されている。名古屋で雪の予報もありますね。

今日の夜、豚汁を作った。特に変わったレシピでもないけど、里芋、大根、人参、牛蒡、椎茸、葱、野菜盛りだくさん且つシンプルに併せ味噌にてまとめてみました。美味しかった〜体がホッとするよ、これですなあ、日本人は、やっぱり。

夕べの朝まで生鶴瓶で直太朗がユーミンのひこうき雲を歌っていましたね。マーケットメリーでもよくやっているナンバーで、今日はライブバージョンでどうぞ。

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2009年12月30日水曜日

管話休題

年賀状をやっと作りました。でもまだ投函してないので、元旦には届きませんね。

そして今日聴いていたのはデオダートの「ツァラトゥストラはかく語りき」でありました。歌謡曲だフォークだロックだと言っていた中学生の音楽の授業の時に米田先生が聴かせてくれて、大層感銘を受けたのを想い出します。つまり音楽にジャンル分けは無意味であると思うわけであります。まあこのデオダートあたりから「クロスオーバー」「フュージョン」なんて言う言葉がでてきたわけだけど。マイルスのWE WANT MILESのあたりまで、こういう「管」のアレンジが時折すごく印象に残る時期もあったなあと思います。あと、クルセイダーズの名盤スクラッチとね。ネイティブサンという和製フュージョンバンドもよく聴いたな。

ナベサダのマイディアライフという曲のメロディーは秀逸だと思うし、管楽器にしか表現できない音階と音階の間のところがたまらないんだな。なんといってもトランペットやサックスを吹いている姿はほんとうにかっこいいと思う。

FMラジオで東京ジャズ2009を二日間にわたり12時間以上も特集してくれたので、充実したラジオライフを送っております。暮れはラジオですね。毎年聞き逃せないです。今は朝まで生鶴瓶見てるんだけどね。今年のつるべーは輝いてましたね、ディアドクターはアカデミー賞にノミネートされるかもしれないというし。深夜放送のDJをやってた頃は随分前だったけど、ミッドナイト東海という名古屋の番組でね。それが今や世界的なスターになろうとしてるんだから、面白い。フォーク好きのおじさんは実は偉大な落語家で、役者になったわけです。人間の可能性は果てしないではないか、今年もあと二日となりました。悔いのない時をおくりましょう。

2009年12月28日月曜日

気まぐれな風のように

今年は少し落ち着いた年末を過ごしている。ここのところ本当に慌ただしくて振り返る事もままならない日々が続いていたので、ここに来て思う存分いろんな事を整理してみようと思い立ち、いろんな音源や(自分のものも大好きなコレクションまで)書籍や楽器など、いろんな思い入れと共に過ごした時を少し呼び戻してみたりしている。こういう時間は必要だね、やっぱり。で、また前に向いていこうと思うわけで。時々振り返る。そしてまた少し行く。躓いたりする。そしてまた立ち止まる。そういう事をずっと繰り返していても、懲りない俺は、またいろんな事に出会い、感動し、挫折もし、勇気づけられたり、泣いたりしながら行くのでしょう。

年末ってば、こんな事を殊勝に想う事もありですかい?

今日は随分前に録音したハファダイという歌をひっぱりだしてみました。

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2009年12月27日日曜日

夢で中華饅

昨晩の夢の話はなかなか君らしくて面白いという反応が多くて自分でも意外だったんだけど・・・今日は新宿でサラリーマン風の男と二人で中村屋のレストランに入り中華饅頭を注文する夢を見た。なんでよりにも寄って中華饅頭なんだ?そもそも中華饅は中村屋じゃなくて井村屋じゃないのか?と自分で突っ込みを入れようとしたら、中村屋の中華饅は有名だそうで、あながち出鱈目な夢でもなかった事が判明した(笑)。それにしても最近の夢の事はなんだかディテールまではっきり想い出せる。ってことは眠りが浅いのかねえ・・・夢占いしてもらおうかな。そうだ、マギーさんなら何かわかるのかもしれない・・・(※マギーさんは中学高校と同級生だった方で今は占術研究家)

で、無性に肉まんが食べたくなる事にもあらがえないのです。嗚呼、本当に食べたくなってきた。中華街に行くのはちょっと面倒な場合、サンクスのホエー豚肉まんで我慢しましょう。これ、美味いんだよ。

中華街と言えば「北京ダック」でしょ。細野さんの大好きな歌をウクレレ&335で。

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2009年12月26日土曜日

感傷的な理由でもないが

昨夜はせっかくのクリスマスイブだというのに、食事の後、うっかり焼酎の水割りを飲んでしまい、あっという間にものすごい睡魔に襲われ、草原で仲間とキャンプファイアーをしているという、季節外れ且つ的外れな夢を見ているうちに(笑)あっさりイブも終わってしまったので、今日は脱力感に苛まれつつ、最後のお仕事に立ち向かったわけです。ああ今年もいろいろあったなあ、でもまあ頑張りましたな、こんなご時世の中でも。そういう気分でもうぐんぐん年の瀬が加速していくのです。皆、お餅の準備は大丈夫かい?

全然関係ないが、何故かこの時期になると必ず聴きたくなるのがこの曲でありまして。

この時期にいろんな方と共演する事があると、この曲だけは必ず演奏してもらう事にしています。

335を弾いた、昨年のクリスマスのライブより「For sentimental reasons/Market Merry」メグ歌で。

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2009年12月24日木曜日

クリスマスキャロル

というわけで、イクスピアリの映画館のレイトショーで「クリスマスキャロル」を観てきました。お金に執着して頑固なおじいちゃんになった男のおはなしでした。3Dだったら、迫力あるでしょうけど、20分のアトラクションでお腹いっぱいだった俺には、3Dじゃない通常版で充分楽しめたんだけどね。イルミネーションをくぐり映画を観る。やっぱりクリスマスはこうじゃないとな。

今日はこの一曲を。マーケットメリーのライブより。(やっとリンクの貼り方がわかった・・・)

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2009年12月23日水曜日

手作りのケーキにひたすら感動


今日はイブイブなので、手作りケーキとチキンとお気に入りの音楽で我が家にて心温まるひとときを過ごす事にしました。でもこれからイルミネーションと映画を観に行こうと思うのです。少し早めのメリークリスマス!

2009年12月20日日曜日

酒と肴と男とシネマ

「パブリックエネミーズ」のジョニーデップ。アメリカのギャング映画という普遍的なテーマの中で、押さえた演技の中にもやっぱり彼らしい味を出していて、とても好感が持てる。あんな映画はアメリカの十八番中の十八番だろうから特に不安もなく観られる。音楽も映像もとてもスタンダードな仕上がりで、そのシネマの中にすぅっと入り込んでいく。近くのシネマコンプレックスで観たが、こういう映画を師走の寒い夜に場末の映画館で一人で観て、帰りに行きつけの飲み屋で焼酎で一杯、なんて言うのも乙だと思う。アメリカ映画だからって別にカウンターのバーでバーボンを飲まなきゃいけない訳でもない。寒い夜には、少し贅沢してもいいさ、心が少しあったまるくらいの、ちょっと自分をうるおせる酒と想い出と美味い肴があれば、ね。

2009年12月17日木曜日

公園のブルースおじさん

自転車で通り抜けようとした都下の公園の脇道から、アコーディオンのような音色が聴こえる。な、なんだろ?と耳をすましても、ピアニカのようなよこもりりょうぞうの弾くアコーディオンのような音に聴こえる。昼下がり。寄り道ついでに近くまで行ってみる事にする。

公園のゲートに自転車を置いて、中に入ると芝生広場の横のスペースにその音の奏者はいた。初老の男性が譜面台の前にイスを置き、ウクレレを弾きながらハーモニカを吹いている。ブルースハープではない!ハーモニカです。清く正しい21穴の正統ハーモニカ。譜面を見ながらウクレレで辿々しくコードを奏で、ハーモニカでメロディを吹いていた。その佇まいはさながらシカゴ辺りのブルースマンのようだった。やってる曲はハワイアンや日本の古い歌などが多かったけど、すごく新鮮で、じっと聴き入っていたら、子供を遊ばせていた主婦たちがゾロゾロと集まってきて何やら公園ストリートライブの様相を呈してきた。

4-5曲やって息が切れたのか、ちょっと休憩な感じの時におじさんに話しかけてみた。こんなに沢山の人が聞いてくれると練習できないなあといいながら、定年後、趣味を持ちたいと、ウクレレを習っていたんだけど、あんまりうまくならないのでハーモニカと一緒にやると誤摩化せるんじゃないかと思ってやり始めたそうです。21穴ハーモニカもキーがいろいろあるので、ケースにそろえていると言ってコレクションを見せてくれました。公園の子供たちも珍しそうにそのハーモニカを見ていた。

で、ブルーハワイを聴いて、おじさんに別れを告げました。日本にもいるんだなあ、ブルースマン。

あ、そういえば、れぼりゅーしょんのテイクをやり直してスローなバージョンにしたので、聴いてみてくださいね。ホワイトアルバムの感じにしたかったのです。URLはさっきのところに。

れぼりゅーしょん

ビートルズをウクレレで弾くというのはなかなか楽しい。そういう企画アルバムもある。どうしてもウクレレでやってみたかったビートルズナンバーといえばRevolutionなんです。で、早速(適当に)やってみた。

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「わからないかな すべてはうまくいく」

2009年12月16日水曜日

今日は何をしても君の事ばかり

淡く切ない恋心などというものはすぐに脆くもいろんな出来事共に崩れさって行くものですね。でもそんな瞬間を歌にしてしまう強引さ、それが歌なのさ。バンドでやる時とはちょっと違うギターの指弾きとウクレレでやってみる。意外にも作った時の気分に一番近い世界感が醸し出されている気がする。ウクレレ恐るべし。ちなみにギターの方はスーパースターも夢じゃないモーリスを使ってみた。おそらく70年初期のものだと思う。マーチンのダブルオーサイズのコピーで、蚤の市で2500円で買ったものだが、こんなラグタイム風のギターには最適な音がする。拾い物だ。いや、買ったものだけど。憂歌団が使用していたフルアコもたしか古道具屋で二束三文で買ったものだとどこかで読んだ気がする。あのフルアコで沢山の名盤を世に送り出した訳だから、あながち古ギターも馬鹿にできない。しばらくこんな感じでラフな音を作っていこ。だって楽しいもん。

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2009年12月15日火曜日

今日の夜空に悲しい事なんて何もない

ちょっと外に出る用事があって夜空を見上げたら、きれいな星空が広がっていた。
オリオン座のあたりをぼんやり見上げたら・・・見えたんです。流れ星。
4つもたて続けに。すごい!いい事あります様に・・・
いや、これがそもそもとてもラッキーな事だよな。

そんなわけで「ブルームーンの夜空に」ウクレレバージョンで。

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2009年12月12日土曜日

寒い話はちょっと苦手だけどさ

冬生まれの女性にはっぴいばあすでいを。という趣旨でウクレレを弾きながら作ったんだけど、ライブでも何回かやったりした。山山堂では、その日誕生日の女性のためにサプライズでケーキにろうそくという演出もあってもりあがった。でも、これはまだメロディラインが定まらない頃のデモテープですな、今のメロとはちょっと違うけど、ウクレレを弾いているのでのせてみる。今聞くと結構脱力感があっていいんじゃないの、ってね(笑)

「はっぴいばあすでいでぃあ」

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はい、コピペね。(面倒かけるが、すまん)

この『でぃあ〜』というところは、洋楽の『デュワ〜〜』というコーラスを意識したんだけど(笑)ほとんど誰にも伝わらなかった・・・(あたりまえだ)自己満足でありました。

2009年12月11日金曜日

金曜日のウクレレ

なんだかウクレレ三昧な日々になってるんだけど、リラックスという言葉がウクレレにはぴったりあてはまるし、今はのんびりとゆる〜くこのかわゆい楽器を弾いてる時間がとてもかけがえのない時間なのですな。そんで、ウクレレをはじめたいと思ってる人がいたら、メールなりコメントくださいな、一緒にゆる〜く楽しむひとときを共有しませう。とりあえずCからね。ハナコサン。※ハナコサンというのはウクレレの調弦の時に唱える呪文です(笑)

今日は少し寄り道をして、ちがう風景を見ながら帰るとか、いつもとちがう服を着て出かける、とかそんな寄り道感覚でもありますね。ウクレレは。だいたいウクレレで儲けた人はいない、と言われてるくらい、不思議な楽器にもかかわらず、本当にたくさんのウクレレフリークが世界中に存在し、いつもどこかで演奏会が催されているのも事実で、片手間にしろ、本気マジモードにしろ、あの音色は万国共通言語なんだな。

週末にはウクレレを!

2009年12月8日火曜日

穏やかな冬になるといいなあ

昨日の「午後」がなかなか好評のようなので、今日はオフィスでも流してみたところさらに感触がよく、お、これはヒロヤの新しいアプローチなんじゃ?という勘違いにも似た自覚とともに、しばらくウクレレのソロアプローチに没頭してみる。そんな気分なんです。フラットマンドリンも捨てがたいけど、そこはコジマサンにお任せしよ。目指せハーブヒロヤ(笑)なんてね、(ウクレレの第一人者ハーブオオタさんにかけてみる)いや、楽しく弾ければそれでいいんです、おまけに少しの人が耳を傾けてくれて、なんかいいなあ〜と言ってくれれば、それだけで・・・

また何かフレーズを思いついたら、速攻でプレイしてアップする所存であります。コピペで聴いてね面倒だけどさ。

さてそんなカラカラな日々なのです。おかけで、今年は冬でも心があったかいような。懐はかなりさぶさぶだけどね。まあ、今日はこんなところで失礼いたす。

2009年12月7日月曜日

Afternoon inst

今日はお茶の水にてコンサートウクレレなるものをはじめて弾かせてもらった。とても高価な楽器を数本弾いた。いやあ、やっぱり高い楽器は弾きやすいですね。弘法筆を選ばずとは言うけど、絶対選ぶべきだな。確信した。(あたりまえだよな)

夜になってコードを並べて曲らしきものを作る。こんな感じでしばらくポロポロと楽器と戯れながら曲を作るのも楽しい。

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タイトルは・・・そうだなあ・・・「午後」とか。(笑)

イーフラットナインスオーギュメンテッドフィフス・・・

今日は少しだけ時間ができたので、久しぶりに楽器屋さんに行って、最近弾きたかった曲の楽譜や、楽器のメンテ用のグッズなどを購入した。で、やっぱり今夜もウクレレを弾いている。落ち着くなあ。

ギターとウクレレは似ているようでかなり違う。と、思う。ウクレレというのは前にも書いた様に、3つ4つコードを覚えれば簡単に始められるので、とっつきやすい。でもその先に行こうとすると意外に壁が高い。壁を越えて、ソロでインストを奏でる様になると、俄然、面白くなる。

今日は「君の事ばかり」というオリジナル曲のウクレレアレンジを試みたのですが、元々ギターで作ったラグタイムの曲なので、キーはたまたまCだった。これが功を奏して、運指が楽なので、ギターではできなかったオーギュメントやディミニッシュを駆使してかなり新鮮な感じになった。

ちなみにウクレレだと「シーシャープマイナーセブンスフラッテッドフィフス」なんていう舌を噛みそうな落語のじゅげむの様なコード名でも簡単に指2本で押さえられるのです。ああ良かった。

2009年12月5日土曜日

どんな楽器と出会うのかも人それぞれ


先日アップしたコアロハのウクレレなんだけど、最近のモデルとは実はデザインが違うらしく、お前のコアロハは本物か?という疑惑が寄せられたので、そんなはずはないと調べてみたら、この形は初期の形で、コアロハが本格的にウクレレを作り始めた1996年から2年間のみ作られていた事が分かったのです。え〜そうだったのか、全然知らなかった・・・1999年に楕円のサウンドホールになり、1999年の後期におむすび形の三角ホールに変更され、現在のデザインになっているらしく、この正円のサウンドホールは実はレアものになっていたたわけだな、そうか〜・・・事実、コアロハのファンの間では既に重要なアイテムとして紹介されていた。GrecoのリアルプロジェクトのSA-1200といい、K.YAIRIといい、元々そんなに馬鹿高い楽器ではないけど、偶然にしろ、自分が過去に選んだ楽器が結構貴重なものになっていて、それなりに価値が認められている事は、ちょっと嬉しい・・・そしてそんな可愛い楽器たちを弾いている時間は、至福の時間でもある。峠の我が家をコロコロと弾いているのです。そうなんです。

2009年12月4日金曜日

ドアのへこんだ白いセリカについて

雨が降るTokyoを歩く。12月。もうひと月を切った2009年を噛み締めながら行く。時間を無駄にしたくない、と最近、せつに思う。だからって時は止まってくれない。せめて、充実した精神を持っていたい。どこに行くのも自由だし、何をするのも。

そーいえば、12月の雨、そんな歌があったなあ、と思いを馳せる。ユーミン。

遅く起きた朝、まだベッドで眠りたい。今にもあなたが白い息を吐き通りをわたって来る・・・そんな歌だった。そしてもう会えないだろう恋人を時が物語に変えるとしめくくる。アップテンポな曲調に反して切ない歌詞だった。ユーミンがこの歌をヒットさせていたのはまだ70年代だった。

ユーミンブランドというベストアルバムを、貯めたお小遣いで買った。まだそんなにLPなんて安くない時代。立体メガネのジャケットは衝撃的だった。そこに収録されているすべての楽曲が、キラキラと輝いていた。歌謡曲やフォークシンガーの時代からニューミュージックの時代がやってきた。歌の中にはメッセージはなく、お洒落なスタイルがあった。数学の問題が解けないと、レコードに耳を傾け、英文の解釈につまると、ラジオのスイッチを入れる、学生時代の燻りを見事に浄化させる気持ちのいいサウンドがそこにあった。おかげでどんどん数式は解けなくなり、グラマーは苦手になった。ティンパンアレイというバンドがはっぴいえんどから派生し、日本のポップミュージックカルチャーに大きな潮流の変化を起こしていた。「やさしさに包まれたなら」のアレンジなんてもう、すごすぎる。細野さんの音楽は今でもとても計算されていて、最近のライブにおけるアコースティックユニットでも、その周到さは健在だ。

今のユーミンのステージはそんなに張り切って観に行こうとは思わないけど、あの頃の楽曲はやっぱり時々無性に聴きたくなる。80年代では「よそゆき顔で」という曲が秀逸だ、と思う。よそゆき顔ですれ違うなら二度と逢わない方がいいのね・・・と歌われるそのメロディラインが大好きなもので、ユーミンベストを編集するときは必ず一番最初にこの曲を入れる事にしている。

できれば観音崎の歩道橋に立って、ドアのへこんだ白いセリカが下をくぐって行くのを見てみたいとも思うが、この歌が気になる理由はそこではなくて・・・

別れた男に対して、よそゆき顔して通り過ぎる事を恥じ入るなんてとても奥ゆかしいと思うんだけど、よそゆき顔ですれ違ったら、好きなだけ笑って、なんてユーミンはとても昭和な人だなあと思ったりしたのですな。マリッジブルーの女性のつぶやきを風景になぞらえて淡々と歌いながら、実は現実的な女性の性(さが)のようなものを際立たせている。

今の相手は堅い仕事と静かな夢を持った人。で、車のドアもへこんでないんだろうし、きちんとしてるんですね、だから、そんな手堅い結婚を選んでしまった私を笑っていいのよ、という複雑な女性心理を具現化した事でやっぱりユーミンって分かってるわよね〜という感じでOLの皆さんがレコードを聴いていたのでしょうか。

で、ユーミンソングのフェイバリットをもう一曲上げるとしたら、ラッサーサーヤンゲ〜かなー

2009年12月3日木曜日

冬だってハワイアンを聴いちゃう


今夜はHawaii's Golden Treasuresというハワイに行った時に宿泊したハレクラニのショップで流れてたCDを聴きながら、書き始めた。このCDは我が家の定盤で、とにかくゆったりとしたい時には、これに限る。「そこそこ」有名なハワイアンが「程々」に押さえたアレンジで並んでいる。

日本のテレビ番組で時々紹介されるハワイの音楽はスチールギターがかなり過剰で、ボーカルも結構力が入っていたりするので、鑑賞する側にはトゥーマッチな代物が多い。でも実際ハワイに行って聴くハワイの音楽はとても優雅で軽く歌っているのに伸びやかで、美しい。ギターとウクレレだけでとても厚い演奏に感じる事もある。むしろスティールギターはあまり見かけない。

そんな、自然な感じの録音がなされていて、ロコになった気分でこのアルバムを聴いていると心身ともにリラックスしてくる。この中の「ハセガワジェネラルストア」という曲は楽園といわれるハナという街にある実在するお店の歌で、いつか行ってみたいなあ、という気持ちになる。有名なお店なのでいった人は結構多いんだろうな。

マウイのロンギースで見た夕陽があまりにも奇麗で、そのシーンが頭に焼き付いている。今日はそんなまったりモードでありました。恙無く。

2009年12月1日火曜日

街はぱれえど

気がつけば、街にはクリスマスの気配があちこちに。銀座ミキモトのおなじみのクリスマスツリーもシックに輝いている。

クリスマスキャロルが流れる頃には君と僕の答えもきっと出ているだろう。ってどんな答え?

知り合ってまだ間もない男女がクリスマスあたりにイベントを企てる時に、いろんなドラマが展開される。
自分自身も想い出すとこっぱずかしくなるような事が沢山あった。

で、この話は当時ずっと組んで仕事をしていた相棒が、徹夜を覚悟したイヴの夜、突然「帰って良いか?」
と真剣な目で訴えた事に始まる。まあ、相棒がクリスマスイヴの夜になにか退っ引きならない事情で仕事を
引き上げようとしているのは理解できたので、まあ、良いけど〜と、やや不機嫌になりながら彼を見送る。

彼はコートを抱え、オフィスを出ると、足早にタクシー乗り場に向かっていった。

彼の向かった先は・・・



『クリスマスイヴに某有名ジャズクラブのディナーショーを予約した彼は、まだ知り合って間もない彼女を待っていた』


願をかけてスパークリングワインを選び、その日一番のスペシャルメニューをオーダーし、まずは一人で
軽くハウスワインなどを嗜みながら、待っている。スペシャルライブがはじまるにはまだ少し時間がある。

彼は余裕で、ワイングラスを置くと、レストランスタッフに声をかけ、料理が冷めないように、
まだ待っててほしいと告げる。彼女が来てから、はじめたいので、と。
スタッフの女性は有名店ならではのとびきりのホスピタリティで、かしこまりました、と微笑む。

クリスマスの優雅なディナーはそういう大人の余裕が大事だ。開演10分前になると
程よくお酒がまわったカップルの楽しそうな会話があちこちから聞こえてくる。
彼の待ち人は未だ来らず。余裕の彼も少し時計に目をやりながら、気にし始める。
そろそろ料理をサーヴしないと、ライヴが落ち着いて鑑賞できない時間に・・・

スタッフがそれとなく彼に声をかける。前菜だけでもお出しいたしましょう。
そうしてください、と彼も答え、またしても完璧な微笑みがスタッフから。

彼のテーブルに前菜が用意された頃、演奏がはじまる。ピアノトリオに女性ボーカルでシンプルかつスタンダードな
極上のクリスマスチューンが続く。ホワイトクリスマス。セットリストは順調に消化され、もう半分くらいか。
彼の向かいの席にはまだ誰もいない。

アップテンポな曲が終わると、絶妙なタイミングでバラードがはじまる。キャンドルが揺れ
恋人たちの宴は最高潮に達する。その日何組の恋人たちが将来を誓い合っただろうか。

スタッフが時計に目をやり、彼に近づく。まだ、お待ちしますか?

え、ええ・・・。

わかりました。では、お待ちしましょう、と相変わらず極上の微笑みが返される。

アンコールが終わり、ステージライトが消え、足早に席を立つ客、ゆっくりと食事を進める人、
ライブの余韻を語り合う恋人同士、店内は喧噪に包まれる。

彼の前の席には誰もいない。

微笑みのスタッフが彼の前に。
どういたしましょう?

・・・言葉に詰まる男をみて、すべてを理解したように、スタッフが言う。

ま、まだ、お時間はございます。もう少し、お待ちしましょう。

うなずくのが精一杯の男。

その後、時間は刻々と過ぎて閉店30分前になる。さっきまで恋人たちで賑わっていた店内も人影まばらに。

当店のスペシャルメニューです、ぜひお一人様でも味わっていただきたいので、お出ししてもよろしいでしょうか。

彼はうなずき、遅いディナーがはじまる。たった一人だけの。

否、スタッフ全員の、完璧な微笑みに囲まれながら。

おわり

という話を、その翌日バツが悪そうに、でも笑いながら、自虐的に話してくれた相棒はとてもスタイリッシュな紳士です。
そして、とてもいい人です。いつもいろんな教訓を僕に与えてくれます。

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