2013年5月12日日曜日

君を好きだった頃の事 その3


映像研究会の部室はハイテクな機材を備えた視聴覚室の隣接した場所にあった。ビデオ機材と編集機材がズラッと並び、音楽系サークルがひしめくキャンパスの端っこのボロボロの掘建て小屋とは比べ物にならない近代的なスペースが出現し、驚きを隠せないまま戸惑っていると、

「あ、バンドの!」

「来てくれたんだ〜」

と前回の3人娘のうちのポニーテールじゃない、あとの二人に遭遇する。

「あ、どうも。この前、もうひとりのポニーテールの子と会って、そん時にここに来るって言っちゃったから・・・」

「え〜!ケイに会ったんだ〜、聞いてないよね〜」とか言いながら二人で盛り上がっている。

その二人の声を遮るように男の声がした。ヤスだ。

「今、試写室に案内するから。」

「あ、久しぶり、先日、ポニーテールの・・・」

「ケイから聞いた。こっちが試写室。」

ヤスについて、ポニーテール以外の二人も歩き出す。その後についていくと今度はテレビモニターがズラッと並ぶ部屋にたどり着く。

「・・・あの、映像研究会って、あの8ミリとかで映画を作ってるんじゃなくて・・・」

「ここは、ビデオ技術を駆使して、映像を作り、音楽やアートを表現したり、いろんな作品を作っているところなので、撮影は全部ビデオ。それもシブサンで。」

「シブサンって???」

「四分の三の略、テープ幅が19mm(3/4インチ)だから。」

シブサンとあぶさんの違いも判らず、8ミリ、シングルエイトしか知らない俺は愕然としながら沢山のモニターの前に立ち尽くしていた。

2013年5月11日土曜日

君を好きだった頃の事 その2


部室はキャンパスの一番端っこにあって、部室の前には運動場があった。良く晴れた日に部室の前のベンチに腰掛けて、アコースティックギターでセッションをしているととても気持ちがよくて、小平市の空の下なのに、勝手にカリフォルニアに想いを馳せていた。

デザインを専攻していたので、家でやる課題が多く、夜中まで作業をして、寝坊をしてしまう事も多かった。家にいる時も大体音楽をかけていたので、(眠る時も)とにかく好きな音楽をずっと聴いていられる事が何よりも嬉しかった。ジャズを聴きまくり、ボブマーリー&ウェイラーズにハマり、福生のレゲエバンドと一緒にライブをした。ニューウェイブのロックのレコードを買い、RCサクセションのステージを観た。国立の多摩蘭坂で写真を撮り、スローバラードを歌いながら歩いた。あらゆるジャンルのカッコいい音楽を全部聴きたいと思った。気に入ったレコードジャケットはすべて壁に並べて、いつまでも眺めていた。

その日は午後の講義を終え、玉川上水沿いを歩き、鷹の台の駅の近くで食事をして帰る。一人暮らしにも慣れはじめていた。ポケットの中からさっきの映像研究会の案内が出てきた。今から、戻ればまだまにあうかな、と思ったけど、結局その日もずっと音楽を聴いて過ごし、映像研究会の事は忘れていた。

そうして、1週間くらいたった頃、学食でトレイをもって場所を探していると、ある女性が少し微笑みながらこっちを見ている。あれ、誰だろう、同じ専攻の人ではなさそうだし・・・

「どうして来てくれなかったんですか〜?」

「え?」と言うのと同時に想い出す。
「あ、あの時の、映像の3人の・・・」
その時は3人まとめての印象しかなかったので一人だけ違う場所で会うと、とっさには判らないものだ。

彼女は怒ってはいないけど、なんか言いたそうな目つきでこっちを見ている。

「・・・あ、あの日はちょっと締め切りの課題がたてこんでて〜・・・」
「え〜真面目なんですね〜課題ちゃんとやってる〜・・・でも来てくれないから、ヤスさんが、さみしそうでした〜」

そういわれると何かとても悪い事をした気がする。時間は本当は作れたはずだった。ちょっと彼らの作品を観に行けば良かったのかもしれない。

「あ、そうか、今度会ったら、また観に行くって言っておく・・・」

「え、ホントですか!?じゃあ、今日言っておきます、いつにしますか?」

矢継ぎ早に来る。こうなると向こうのペースだ。なんせこちらはお盆をもって席を探してる途中でなんともかっこつかない感じなのだし。

君を好きだった頃の事 その1


俺は美大に入るとすぐ、音楽サークルに入り、その部室に入り浸り、講義をさぼって、ずっと楽器を弾いていた。たまたまその部室の前を通りかかり、ギターを弾きながら歌う俺の姿をみていて、「一緒に映画を作らないか。」と声をかけてきた男がいる。映像研究会のヤスという男だ。「今のは君のオリジナル?そういう曲を僕の映画のために作ってくれないかな?」とかなんとか言ってた様な気がする。ついでに出演してくれないかなあ?とも。「そんなものには興味はないよ。」と断ったら、後日、女性を3人連れて部室にやってきた。「僕の後輩に君の事を話したら,ぜひ会いたいというので、連れてきたんだ。」といいながら。「私たちも映像研究会で、面白い作品を作ろうと思っているので、ぜひお願いします!」ときた。その無闇な明るい三人娘に気を取られて、「あ、え〜と・・・」と口ごもっていると,「私たちの作った映像作品を観に来てください。今日の午後6時頃から、私たちの編集室で上映しますから。」と,相変わらず明るく言って、その場所が記された案内を置いていった。ヤスは微笑みながら「来てくれるよね。」と念を押して去っていった。彼等が去った後は、なんともいえない沈黙に支配されて、楽器を弾く気持ちは失われ、コーラの空き缶にタバコの吸い殻を放り込んで、椅子の上の案内の紙をポケットに突っ込み、昼下がりの部室を出た。 

きまぐれに、つづく

2013年4月30日火曜日

18歳の頃


今日は、もう一曲カヴァー曲をアップしてみます。小林倫博さんの曲「18歳の頃」という曲です。同じ美大の少し上の先輩にあたる方です。今は音楽はやっていないみたいですが、あのフォーライフレコードの新人オーディションの第2弾で輝かしいデビューをして、アルバムも数枚残しています。


今日のカヴァー

今日は、ジョンメイヤーのQueen of Californiaをやってみました。

http://radiopepe2.up.seesaa.net/image/john.mp3

2013年4月28日日曜日

あなたのイエスタデイ


鼻歌でカバー第2弾です。(笑)
キャンディーズのやさしい悪魔のB面「あなたのイエスタデイ」
この歌春先になると、なぜか決まって歌いたくなるのです〜

2013年4月22日月曜日

くよくよするな。


ボブ・ディランが歌う「Don't think twice,it's alright」を自分でも歌ってみたくて
ギターだけで,マイクも一発でやってみました。



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